メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の適正な診断基準を検証していた厚生労働省研究班が、7月は9日、診断の必須項目の腹囲の数値によって、心筋梗塞(こうそく)や脳梗塞の発症の危険性を明確に判断できないとする大規模調査の結果を発表した。
これにより、診断基準の見直しがありそう
現在の診断基準は、腹囲に加え、血糖、脂質、血圧の3項目のうち二つ以上で異常があった場合、メタボと診断され、保健指導の対象となる。しかし、他の先進国に比べ男性の腹囲基準は厳しすぎる、女性の基準は逆に甘いと、批判されていた。
研究班は、全国12か所の40~74歳の男女約3万1000人について、心筋梗塞、脳梗塞の発症と腹囲との関連を調べた。
その結果、
腹囲が大きくなるほど、発症の危険性は増加したが、特定の腹囲を超えると危険性が急激に高まるという線引きは困難であることがわかった。
国際的には、腹囲を必須とせず、総合的にメタボを診断するのが主流。
米国では、腹囲(男性102センチ以上、女性88センチ以上)は中性脂肪、HDLコレステロール、血圧、血糖値を含めた五つの診断基準の一項目に過ぎないそうである。
現メタボ基準の肥満は危険という事は変わらない。メタボ健診の目的は、脳梗塞や心筋梗塞などの生活習慣病予防で、年間2兆円の医療費削減を目算していた。しかし、腹囲では明確な線引きが出来ないことがわかったことで、診断基準やメタボ健診のあり方が問われるであろう。
我が国では、腹囲が必須条件で、腹囲が基準値以内だと保健指導の対象にならず、血圧や血糖、脂質など他の項目が軽視されていた。
腹囲が生活習慣病と無関係というのではなく、腹囲が大きく、肥満な人ほど、心筋梗塞などを発症する危険性は高まることが今回の調査でも確認された。大切な事は腹囲の基準値に一喜一憂するのではなく、生活習慣病の危険性を幅広く考えて、十分な対策をとることが重要である。