アメリカのヘルデイ・ニュースによると、糖尿病患者の3人に1人が糖尿病網膜症であり、失明の恐れのある重症患者の比率も糖尿病患者全体の4.4%に上ることが、米国疾病管理予防センター(CDC)疫学研究者のXinzhi Zhang氏らの研究で明らかになった。
糖尿病網膜症は、眼内の血管の変性により生じる疾患。異常血管の新生や既存血管の膨張、血液の漏出などが原因として挙げられる。米国では、20~74歳における失明原因の第1位を糖尿病網膜症が占めるといわれている。
分析対象は40歳以上の7,000例で、うち1,006例が糖尿病と診断されていたか、糖尿病の診断基準とされるヘモグロビンA1cが6.5%以上であった。Ⅰ型糖尿病とⅡ型糖尿病は区別しなかった。
また、糖尿病網膜症の罹患率は、40歳以上の米国人糖尿病患者の28.5%(約420万人)、失明の恐れのある糖尿病網膜症患者は4.4%に上ることが判明した。罹患率は、女性(26%)よりも男性(32%)が高く、白人(26%)よりも黒人(39%)、メキシコ系米国人(34%)のほうが高かった。
その一方で、研究からは血糖、血圧、血中コレステロールのコントロールが良好であれば、糖尿病網膜症の合併を予防、あるいは遅延できることも示唆されたという。より進行した網膜症にはレーザー治療も有効であった。
これに対し、血糖コントロール不良の指標であるHbA1c高値、収縮期血圧高値、糖尿病罹病期間やインスリン使用期間の長さは、糖尿病網膜症発症の危険因子となっていた。「HbA1c高値やⅡ型糖尿病患者でのインスリンの必要性などは糖尿病の重症化を示しており、糖尿病網膜症を来しやすい。疾患を十分にケアし、定期的に眼検査を受け、異常を早期発見して治療することによって、失明を遅延、あるいは予防することができる」と研究者は述べている。
この研究結果は、米国医師会誌「JAMA」8月11日号に掲載された。